令和2年度 奈良県病院協会看護専門学校 学校評価

本校は、教育活動全般についての改善及び教育の質の向上を図る目的で、「学校評価」を行っています。本校教職員が自ら行う「自己評価」と本校教職以外の者(学校関係者評価委員会)が自己評価結果を評価する「学校関係者評価」からなっています。

令和2年度自己評価

令和2年度の自己評価は、9分野について、5「良い」4「やや良い」3「普通」2「やや十分」1「不十分」の5段階評価で行いました。結果は以下の通りです。

令和2年度 自己評価結果


教育課程
教育活動

教職員の育成

教育環境整備

看護師を目指す 有能な学生の確保

学生生活 への支援
3.6 3.6 4.1 3.7 3.8

国家試験対策

就業対策・卒業生への支援

地域との連携

学校経営

3.8 3.8 3.5 3.5

令和2年度 学校評価

令和2年度自己評価  学校評価の概要と今後の課題

【評価尺度】5:よい 4:ややよい 3:普通 2:やや不十分 1:不十分
評価項目 評価点 概要・今後の課題
Ⅰ.教育課程・教育活動 3.6
  • 教育理念・目標が本校設立目的を反映し、医療従事者としての社会人基礎力、人間力の育成に応じたものか点検し、見直しを行った。引き続き、カリキュラム検討を行い、時代の要請に応じた新たなディプロマポリシーの制定とその方針に基づく人材育成を行う。
  • 令和2年度はコロナウィルス感染症の対応により、全実習時間数の約30%を臨地実習、残り70%を学内代替実習で行った。臨地実習の教育内容と方法を見直し、学内代替実習を行った。学内代替実習では全領域(7領域)でシミュレーターを活用したシミュレ―ション演習を導入し、思考力、判断力を養うことができた。引き続き、教育内容・教育方法を見直し臨床判断に必要な基礎的能力を育成する。
  • 卒業時の到達レベルを学内演習と臨地実習に分類することで、学内演習での技術到達度が明確となり、代替実習で補うことができた。引き続き学内演習を充実させ、卒業時の到達レベルの向上に努める。
  • ポートフォリオ・ルーブリック評価を取り入れたことにより、自己の行動を省察し、課題を見出し、主体的に取り組む姿勢に繋がった。学生の到達度を客観的に評価することで、的確な指導が行え学習サポートに活かされている。今後もポートフォリオ、ルーブリック評価を継続する。        
  • コロナ禍であったが委員会をとおして異学年の交流を行うことができた。2月には在校生が協力し国家試験合格に向けたメッセージを準備するなど、3年生を応援する姿があり、学生相互の親睦をとおして豊かな感性と人間性が養えている。今後も教科内・外の活動をとおして看護師に必要な社会人基礎力の育成に努める。
  • 就職先病院の訪問で卒業生と面談し、卒業期生別に卒業後の状況を知ることができた。引き続き就職先病院を訪問し、卒業後の状況を把握し教育課程編成に活かす。
  • 最終学年で実施した全国模試試験(7回)で全国正答率10%以下、校内正答率50%以下の問題を洗い出し、弱点科目の点検を行った。引き続き、科目毎の教育内容を点検し教育課程編成に活かす。
  • 地域包括支援センターなど地域の実習について、関係機関に連絡を行い情報を得た。引き続き、地域における多様な場での実習施設の確保を目指し連絡調整を行っていく。
  • 学外講師の学生による授業アンケートをWebを活用し実施した。アンケートの準備、回収、講師への発送すべて担任が行うこととなり、業務の負担が増した。Webアンケートは回収率が低く、回数が増えるとマンネリ化してしまう。学生による授業アンケートを継続するために、アンケートの実施方法を見直し、授業評価の活用を考える。
  • 定期的な面談を行い、課題のある学生は三者面談を行い家庭と連携し、支援の方向性を検討した。
Ⅱ.教職員の育成 3.6
  • 全教員授業参観を行い、リフレクションを行った。リフレクションで自己の授業課題を考え、授業改善に活かされた。授業参観は授業改善に効果があり、授業力の向上に繋がった。今後も継続して行う。
  • 教員面接を10月と3月の2回行った。担任2人制をとり、教員間で協働し高め合う体制を整えた。2人制で行うことで教育実践能力の育成につながり、自己成長につながった。今後も、互いに成長し合える職場作りを行っていく。
  • Webでの研修が多かったが、全教員計画していた研修に参加することができた。カリキュラム改正に向けて行われたWeb研修も全教員視聴し、カリキュラム改正に向けて意識を高めた。引き続き、教員研修を計画し、実施する
Ⅲ.教育環境整備 4.1
  • コロナ感染拡大に伴い、全学年オンライン授業を開始した。4月に高速接続が可能な有線工事を行い、校内全教室でオンライン授業に対応した環境を整備することができた。また、シミュレーターを購入し、実習環境を整備し代替実習を充実させることができた。引き続き、ICT教育を支える学習環境の整備に取り組んでいく。
  • 換気対策のため、業務用大型扇風機、業務用大型石油ストーブを設置した他、フェースシールド、アクリルパネルなど感染予防のための備品を購入し、感染対策を徹底することができた。
  • 各領域において必要な図書を定期的に購入している。学生にも要望を提出してもらい、教務会議で検討し購入している。学生の事例研究(ケーススタディー)支援や教員の研究能力の育成を図るため、医療看護系文献検索システムサービスを導入するための予算措置を行っている。
Ⅳ.看護師を目指す有能な学生の確保 3.7
  • 令和2年度入学試験においても、入学定員40名を確保し、開校以来定員充足率100%を継続している。
  • 令和2年度の応募倍率(出願者/ 定員 2次募集を除く)は、昨年度より若干増加した。受験資格の緩和などの入試制度改善や高校進路指導部との連携強化に取り組んできたことにより、指定校推薦・推薦入学試験受験者数が増加したことによる。
  • 社会人入学試験・一般入学試験受験者数は、ピーク時の1/4程度となっている。
  • 看護師を目指す有能な学生確保に向け、社会人入試・一般入試制度の見直し・改善が必要である。
  • 県内高校、短期大学を訪問し、進路指導部に新年度の募集要項等を説明し、受験希望者の有無など情報収集に努めた。
  • 後期にも 、指定校及び新規学校を訪問し、進路指導部とのつながりを深めた。
  • コロナ禍で看護協会主催の進学ガイダンスは中止となったが、県内高校の進学ガイダンス(14回の開催)に加え地区合同進学会に参加し、学校PRに努めた。
  • 学校見学会、オープンキャンパスは感染予防対策を行いながら、複数回に分け少人数で実施した。地域の高等学校での出前授業にも積極的に参加し、受験生確保に努めた。
  • 本校の教育理念を踏まえた入学者受け入れ方針について検討した。引き続き、検討を行いアドミッションポリシーを策定する。
Ⅴ.学生生活への支援 3.8
  • 年に1度健康診断、内科健診を行い、健康管理を行っている。定期的に受診が必要な学生については、学校医に報告している。また入学前に抗体検査を行い、必要に応じてワクチン接種を促している。令和2年度は、11月に季節性インフルエンザワクチン接種を全学生対象に実施した。
  • 学年担任制でクラス運営を行い、各学年2名の教員で学生生活のサポートを行った。3回/年の個人面談を行い、学習支援やメンタルサポートを行った。
  • メンタル面のサポートは主に学年担当が行っているが、専門者の介入が必要な場合はスクールカウンセリングに繋げている。カウンセリングは、カウンセラーと調整しながらオンラインカウンセリングも取り入れ、学生が利用しやすいよう工夫している。
  • 学習支援については、成績結果をレーダーチャートに示し面談することで、苦手科目の認識に繋がり、主体的に取り組む姿勢へと繋がった。家庭との連携が必要である場合は、三者面談を行い保護者の協力を得るなど学習支援を行っている。今後も継続した学習支援を行う。
  • 学校生活について、さらに学生の意見が反映され学校生活満足度が向上するよう、アンケート等を活用し、改善に努めていく。
  • 緊急事態宣言の発令により、当初予定していた奨学金説明会、面接会に替り、個別に病院見学及び面接の機会を設けた。令和3年3月末現在、本校学生の約9割が加盟病院の奨学金制度を受けることができている。
  • 学習支援として加盟病院の奨学金制度が継続できるよう、引き続き調整を行う。
  • 本校は、高等教育の修学支援新制度の対象校として国から指定を受けており、当制度により、学費負担が困難な学生に対し、授業料等減免等の支援を行った。次年度以降も対象校として、継続して指定を受けることができるよう指定要件を満たしていく。
Ⅵ.国家試験対策 3.8
  • 4月に国家試験対策年間スケジュールを作成し、全学生に配布した。
  • 低学年模試を計画・実施。低学年模試では、解剖学が全国平均を5%下回った。解剖学は学生が苦手とする科目であり、専門領域の基礎である為、弱点克服に向け継続して取組む。
  • 各学年に国家試験対策委員をおき、国家試験への意識づけをおこなった。引き続き、委員会の活動をとおし異学年間の交流を行い、早期から国家試験に向けて意識づけを行い主体的に取り組む姿勢を養う。
  • 3年は7回/年の模試を計画し実施。10月の中間評価で弱点科目の克服に向けて検討した。1月の模試を追加し、解剖生理学の特別講義を3日間行った。特別講義は弱点科目克服に効果があり、学生の評価も高かった。今後は実施時期を見直し、早期から弱点科目の克服に取り組む。
  • 定期的に個人面接やノート整理による学習状況の把握を行い、個別指導を行いながら国家試験までサポートを行った。感染予防と体調管理を行い、全員が国家試験に臨むことができた。
  • 110回国家試験現役合格率は、全国95.4%、本校97.1%で全国を上回った。
  • 既卒者についても、就職先病院の協力を得ながら、学内で模擬試験を行い、国家試験に向けてサポートを行った。結果、既卒者の合格率は、全国44.4%、本校71%であった。引き続き、既卒者の国家試験合格に向けてサポートを行う。
  • 本校の設立目的から、国家試験全員合格は最重要事項と捉え、引き続き国家試験対策を点検し改善に取組む。
Ⅶ.就業対策・卒業生への支援 3.8
  • コロナ禍であったが就職先3病院を訪問することができた。卒業生14名と面談し近況を知ることができた。その様子を学校HPで紹介している。今後も就職先病院と連携し、卒業後の支援を継続する。 
  • 緊急事態宣言の発令により、当初予定していた奨学金説明会は実施せず、個別に病院見学及び面接の機会を設けた。
  • 本校学生121名のうち加盟病院奨学金貸与者は108名(2年度決定者33名)で、ほぼ例年と変わりない貸与状況(加盟病院奨学金貸与者/本学生生徒数:元年度89.5% 2年度89.3%)となっている。
  • 将来の就職先である奨学金貸与加盟病院について、引き続き学生が自己に適した病院を選択できる環境を整えていく。
Ⅷ.地域との連携 3.5
  • 中止となった「学校祭」での募金活動に替え、文化委員を中心に全学生、教職員に対し募金活動を行い、「奈良県共同募金」に寄付を行った。
  • また、地域の防災訓練もコロナ禍で中止となったが、今後も地域の医療・福祉への協力は継続して行う。県内高校から、1年生、2年生を対象に出前講義の依頼を受け、講義を行った。講義の機会を得ることで、看護師の仕事を理解してもらい、看護職への興味・関心を得ることができた。今後も要請があれば、出前講義を行い地域社会に貢献できるよう取組む。
Ⅸ.学校経営 3.5
  • 令和3年1月に、目標年次を令和4年度とし、計画期間を3年間(令和2年度~4年度)とする中期目標・中期計画を策定し、それに基づく学校運営を行っている。
  • 教育理念・目標を点検・見直しを行い、カリキュラム改正に合わせて学校独自のカラーを反映させる教育課程を引き続き検討する。
  • 感染対策マニュアルの作成、感染予防策の徹底等で校内の感染者発生を防いでいる。
  • 随時、学生・教職員の連絡網を確認している。令和2年度は、学生電話連絡網に加え電子メールや学年ホームページを開設し、緊急時の連絡体制を整えた。
  • 感染事故にも対応した総合補償制度の加入(学生・教職員)を継続している。
  • 予算について、奈良県病院協会の総会において承認された後、事業執行している。学校の施設設備や備品購入、図書購入、研修参加などの要望を全職員に提出してもらい、事業に反映している。
  • 学生定員を確保するとともに、県補助金や福祉医療機構の低利融資の活用、電力債などの安全で有利な資産の運用管理なども行い、安定的な財務状況を維持していく。
  • 引き続き経費節減や業務効率化の努力を行い、前年度に比較して光熱水費などの管理的経費が減少している。
  • ホームページは、奈良県病院協会ホームページ゙からもアクセスでき、卒業生や受験者、高校関係者等が求める情報も掲載している。月1~2回のペースで定期的に更新している。
  • 令和2年6月に、デザインを一新し、受験生向けのページのリニューアルや在校生用ページの増設を行った。
  • リニューアル後の学校ホームページの活用や、学校行事等についての積極的な報道発表、高校等への訪問回数の増加等により、本校の魅力や教育内容等を幅広くPRし、受験者数の増加にもつなげていきたい。

令和2年度 学校関係者評価

奈良県病院協会看護専門学校の教職員が行った「令和2年度自己評価」を対象に、学校関係者評価委員会が行った学校関係者評価の結果は以下の通りです。

学校関係者評価委員会

設置目的
在学生がより良い教育ができるよう、教育機関として常に学校運営、教育活動の改善に努め、教育の資質の向上と保証を図ることを目的として設置する。
委員構成
卒業生 2名 実習施設等の看護管理者 2名 就職先看護部長 2名
高等学校長経験者1名 看護教育経験者1名 大学関係者1名 学校関係者評価委員会名簿
設置・開催等
令和元年10月学校関係者評価委員会発足
令和元年11月学校関係者評価委員会の委員の発令
令和2年1月19日第1回学校関係者評価委員会開催
令和2年5月19日第2回開催予定を中止(コロナ感染症拡大のため)
(令和元年度学校関係者評価を書面にて実施)
令和2年6月令和元年度学校関係者評価をHPで公表
令和2年8月25日第3回開催予定を中止(コロナ感染症拡大のため)
(中期計画に係る意見聴取を書面にて実施)
令和3年6月1日令和3年度第1回学校関係者評価委員会開催
令和3年6月令和2年度学校関係者評価をHPで公表

評価結果の概要(令和2年度)

  • 「令和2年度自己評価」が適切になされているかを4段階で評価した結果、本委員会委員9名の評価点数の総平均は3.6となった。「令和2年度自己評価」は、「適切、ほぼ適切」になされたと評価できる。
  • 評価項目別の平均を見ると、評価が高いのは、3.8の「Ⅲ.教育環境整備」、「Ⅳ.看護師を目指す有能な学生の確保」、3.7の「Ⅴ.学生生活への支援」、「Ⅵ.国家試験対策」、一方、評価が低かったのは、3.4の「Ⅰ.教育課程・教育活動」、「Ⅶ.就業対策・卒業生への支援」、「Ⅷ.地域との連携」、「Ⅸ.学校経営」となっているが、全項目3.4~3.7の範囲内にあり、評価項目別には大きな差はない。
  • 本委員会の委員の評価理由などを見ると、コロナ禍でも迅速に対応ができた項目、課題はあるがその課題を明らかにし、改善に向けて積極的に取組んでいる項目については概ね高い評価となっている。さらに、課題に対して適切な対応を行い、中期計画・中期計画の達成に向け、引き続き積極的な取組を行うよう、具体的な意見が出されている。

学校関係者評価委員9名の評価と意見

自己評価が適切になされているかを各委員が4段階で評価
4適切 3ほぼ適切 2あまり適切ではない 1不適切
 
評価項目別区分 評価点
(平均)
評価点
(平均)
Ⅰ.教育課程・教育活動 3.4 Ⅵ.国家試験対策 3.7
Ⅱ.教職員の育成 3.6 Ⅶ.就業対策・卒業生への支援 3.4
Ⅲ.教育環境整備 3.8 Ⅷ.地域との連携 3.4
Ⅳ.看護師を目指す有能な学生の確保 3.8 Ⅸ.学校経営 3.4
Ⅴ.学生生活への支援 3.7
 
  全項目(総平均) 3.6

令和2年度 学校関係者評価結果

<評価項目別区分>
評価項目 評価点
(平均)
各委員の主な意見(評価理由等)
Ⅰ.教育課程・教育活動 3.4
  • 評価した理由は、「看護教育」を取り巻く環境が大きく変化する、また不測の事態ともいえる「コロナ感染症」の感染拡大する厳しい社会情勢ではあるが、中期目標・中期計画の具現化・またその達成に向けた学校関係者の創意工夫、及び連携協力・迅速対応により着実に推進されていること。(全科目共通)
  • ポートフォリオの活用は学習の成果と次の自己の課題抽出と実際に行動出来ているのかを支援していくことが重要であり、概要からは主体的に取り組む姿勢に繫がっていることから、適切な指導が行えていると思う。
  • 教育の在り方を変えざるを得ない状況の中、シミュレーション教育の充実を図り、学生の思考力判断力の育成につなげることができている。
  • 学内代替実習を全領域でシミュレーション演習を行うことは、看護実践力を向上させるのに適切である。
  • 多職種連携に関しての教育の導入がやや不十分と評価されており、さらに進めていくべき内容である。
  • 教育理念・目標を医療従事者として社会人基礎力、人間力の育成に応じたものか見直すことは適切である。今後、それを教育課程に反映され、活かされることが必要と考える。
  • 「社会人基礎力、人間力の基礎となる科目を導入」の項目はまだ具体的にできていないのなら「3:普通」には至らないのではないか。
  • 授業アンケートによる教員の業務圧迫についてもより効率に集計できるシステムの活用が今後の課題と考える。
Ⅱ.教職員の育成 3.6
  • 授業力向上に対し、学生、教員相手の評価について検討し、実践している結果、向上につながったと評価されており、適切であったと考える。
  • 授業参観とリフレクション・研修など計画的に取り組んでいることで適切である。
  • 教員間での授業参観を導入しリフレクションを行っている。また複数担任制度を設け、協議する体制も整っている。
  • 研修・研究会などへの参加は難しい年度であったが、それに見合った評価をとっており、今後につながると考える。
  • 今後は、教職員のキャリア支援も必要と考える。
Ⅲ.教育環境整備 3.8
  • オンライン授業に対応した有線工事などが速やかに実施され、環境整備がすすめられた。コロナ禍でのリモート学習や学内実習など、急な変更についても準備を整えることができた。
  • コロナ禍において安全で快適な学習環境を整える上では、学生自身もこの機会に、感染予防対策に対する知識と意識の向上が図られるような取り組みも重要である。
  • コロナ感染拡大に伴い、迅速にLANの整備を行いオンライン授業に対応したことは適切である。また、感染予防対策も適切である。今後、コロナ感染の終息には時間を要すると思うので、引続き、教育環境の点検を行う必要がある。
Ⅳ.看護師を目指す有能な学生の確保 3.8
  • 看護系大学を目指す学生が増加している中、受験者数は減少しているが、積極的に学校訪問や出前授業などに参加され、学生確保に努めた。定員割れしていないことから「4」とした。
  • 令和2年度は、昨年と比して受験数が多い。学生確保に向けた積極的な取り組みは適切である。
  • 学校PR、指定校・新規校の訪問も実施できており、受験者数の確保につながっている。
  • オープンキャンパス開催に際しても、感染対策の上実施ができている。
Ⅴ.学生生活への支援 3.7
  • 身体的・精神的に健全な状態で学生生活を過ごしていくための取り組みを積極的に実施している。家庭との協力も得ながら、学習支援も行われている。
  • 健康診断・感染症対策・スクールカウンセラーなどで心身の健康支援は適切である。今後は、学生から学校生活について意見を聞き、必要に応じて改善する必要があると考える。
  • 入学後に実施される奨学金説明会では、時期が遅いのではないか。入学前に面接を受ける者が多くなっているので、時期の検討が必要である。
  • 通年の健康管理に加え、ストレスの多い現状のなかカウンセリングにも力をいれており、自己評価も高い。
  • 学年教員が2名で支援するのはきめ細やかな指導ができるので効果的である。今後も、個人の学力や、学習習慣、学習意欲・目的意識を把握し、学生生活・学習の動機付け支援の継続が必要であると考える。
Ⅵ.国家試験対策 3.7
  • 基礎である解剖生理は、低学年模試で弱点が見いだせているため、3年に実施したような特別講義を低学年で実施することで、その後の実習や模試にも活かせると思う。国試の結果が全国を上回ったことについては評価できる。
  • 学習状況の把握から委員会活動とその活動、弱点を早期につかみ取り組んでいる。数値として結果がでている。
  • 国家試験全員合格に向けて、定期的な模擬試験を実施・分析して弱点克服の特別講義を実施し、学生のサポートにも努めているのは適切である。
  • 弱点科目の抽出ができている。また個人面談や学習状況の把握もおこなえており、個別指導につなげられている。
  • 各学年の国家試験対策委員の活動を活発に行い、具体的に進めることで、学習への動機付けにもなり、学生自ら主体的に学習する習慣がつくことに期待している。
  • ポートフォリオと国家試験対策を連動し、活用していくことが重要である。
Ⅶ.就業対策・卒業生への支援 3.4
  • 情報提供、個別の相談、卒業生への支援についても考慮された活動が行われている。
  • 令和2年度、3年度と十分に実習が実施出来ていない状況下で、卒業生への支援ではどのようなことに学生は困難をきたしているのか(患者との関係性が難しい、コミュニケーションなど・・)について明確にし、シミュレーション教育の見直しや就職先への情報の共有など、学校と病院がお互いに協力し合い、新人看護師を育成する体制などを整えていくことが大切である。
  • コロナ禍において、目標とした10施設訪問は困難であることは理解できる。
  • 卒業生を訪問される取組は、コロナ禍でもまた続けていただきたい。
  • 奨学生として3年間勤務し退職していく卒業生がある。その後の動向を把握し、奨学金制度のあり方も考える必要がある。
  • 卒業生の就職先での活動状況の把握は適切である。今後、状況を分析し、課題を明確にする必要があると考える。
  • コロナ禍でも、オンラインを活用し、ホームカミングデイを継続することを期待したい。
Ⅷ.地域との連携 3.4
  • コロナ禍の難しい年度ではあったものの、可能な範囲で活動を継続している。
  • 自主的に募金活動を実施し、共同募金に寄付をしたことは適切である。今後も、高校や地域からの要請を受けて、地域と関わる活動を継続する必要があると考える。
Ⅸ.学校経営 3.4
  • 計画的に中期目標・中期計画を策定し取り組んでいるのは適切である。また、感染マニュアル・緊急時連絡体制を整えたことも適切である。
  • 経費節減とともに、魅力のある学校づくりができている。
  • ホームページは見やすくリニューアルされていて情報が充実していた。
  • 教職員の適正人員は配置されていると確認できた。

その他の意見(取組や課題等について)

  • 急激な社会変化の中、看護教育を取り巻く環境も一層厳しさを増すことが予想され、加えて、今後の「コロナ感染症」の推移状況によっては、社会の在り方、或いはそれに伴う個々の生き方等までもが大きな変容を迫られることも懸念される。これまでもそうであったように、『看護教育』の理念を確実に具現化する取り組み、『看護教育』の不易と流行を見極めつつ、現状に甘んじることのない(学生のための)教育実践を一層推進するよう期待する。
  • コロナ禍において学習環境の工夫が重要になってくると思うが、シミュレーターの導入、ネット環境の整備が出来ていることで安心である。令和2年度はオンライン対策などを整備出来たと思うので、令和3年度はより質の高い学習を目指していっていただきたい。
  • 令和2年度は、コロナ禍でオンラインやリモートでの授業をされ、かなり工夫・努力されていることが分かった。また、コロナ禍で臨地実習による看護体験が少なくなり、卒後、臨床現場に出ることに不安に思っている学生がいるのではないか。今後は、卒後のフォローアップも必要と考える。・病院では、学校の教育方針や臨床指導者会での意見は共有している。臨地実習での経験を教材化することによる学びについて、院内での臨地実習者としてラダー評価の基準を考えている。臨床指導者として、臨地実習で活用できるような考える努力、気づきを生み出す能力につなげる指導力を強化したいと考えている。学校側と臨床指導者との連携をさらに深めてほしい。
  • 卒後の現場の状況として、相手の話をよく聞き、気持ちに寄り添える、そういった行動をとれる看護師、生活(患者の)環境を整える行動が取れる看護師、基本が身につくにはどうしたらよいのか、確認を徹底できず、インシデントに繋がる事例もあるので、教育に反映してほしい。
  • コロナの影響で適正な評価ができないため、評価対象外とすることは妥当であると思う。評価をしないことに対する説明責任があると思うので、その理由を概要に記載するとともに、手法変更や規模縮小により実施しているのであれば、その旨も記載し、努力して事業を実施していることをアピールすることも大切であると思う。
  • コロナ禍において、先生方をはじめ事務職員の方々や学校運営に関係されている方々のご努力は計り知れないもの。多方面に対応せざるを得ない状況でも、学生教育の維持・促進を最優先に対応されていることが伝わってきた。