令和6年度 奈良県病院協会看護専門学校 学校評価

本校は、教育活動全般についての改善及び教育の質の向上を図る目的で、「学校評価」を行っています。本校教職員が自ら行う「自己評価」と本校教職員以外の者(学校関係者評価委員会)が自己評価結果を評価する「学校関係者評価」からなっています。

◎   自己評価

自己評価は、9分野について、5「とくに良い」4「やや良い」3「良い」2「やや不十分」1「不十分」の5段階評価で行いました。結果は以下のとおりです。

自己評価結果

評価項目 R6 評価項目 R6
教育課程・教育活動 4.1 看護師を目指す有能な学生の確保 4.2
教職員の育成 3.9 学生生活への支援 4.4
教育環境整備 3.8 就業対策・卒業生への支援 4.0
国家試験対策 4.1 学校経営 3.6
地域との連携 4.2
項目 Ⅰ 教育課程・教育活動 評価 4.1
取組及び評価の概要
  • 創立以来から定められたものがあり。新カリキュラム改正時に見直しをしている。
  • 看護師志望者にわかりやすく示せるようR7においてホームページのリニューアルを予定。
  • 入学時に学生便覧を用いて、説明をしている。学生にもガイダンスの時間を設けて説明し周知している。
  • 令和4年新カリキュラム改正時に見直しをしている。医療機関のニーズに沿っていると考える。
  • 教育理念に沿った教育課程の編成をしている。地域・在宅看護論の科目・実習を追加している 。
  • 修業年限に対応した教育到達レベルや学習時間の確保について、学生便覧により明確にしている。
  • 「基礎看護技術Ⅶ」は2学年の前期にしていたが、基礎的な内容は見直し、1年に実施するように変更したほか、「看護過程・看護診断」の科目も基礎実習Ⅱ前の1年後期に実施するように体系的に変更した。
  • 奈良医大を中心に実習病院等の外部講師を100人以上を確保している。
  • 母性実習では施設の見学実習を調整し確保するとともに、 地域・在宅看護論実習Ⅲに「居宅介護支援事業所」を追加した
  • ICTの利用を検討中である オンライン使用での講義を実施している(情報と看護)教科書を実習先に配置した。解剖学Ⅲ試験をPC操作で回答し、評価が出るようにした。
  • 講義終了時に学生にアンケートを実施し評価している。自己の課題を見出し授業改善に努めている。学生満足度調査を行いている
  • シラバスに記載して、成績評価・単位認定を明確にしている。履修科目の成績評価を点数化し、全科目の点数の平均を算出する客観的な指標も行っている。
項目 Ⅱ 教職員の育成 評価 3.9
取組及び評価の概要
  • 教育継続研修の参加、教員同士で授業参観を行い、意見交換をして改善に努めるとともに、 各自で研修に参加している。
  • 事務職員の能力開発については、OJTを行っている。業務スキルの向上に向けた研修受講について検討を続けている。
  • 法令や諸規定等について、教務会や朝礼等で連絡・報告し周知している。
  • 個人情報保護やハラスメント防止対策について、年1回の研修を実施している 「個人情報保護」の研修は学生・教職員にも実施している。
項目 Ⅲ 教育環境整備 評価 3.8
取組及び評価の概要
  • 講義で使用するパソコン等教育上必要な機器は確保できている。
  • 教育のICT化に向けて、電子テキストの導入など学生及び外部講師と多数の負担をどのようにするか検討中である。
  • 実習室の物品が不足することのないよう定数管理を行っている。
  • シミュレーターの定期的な点検を行っている。
  • 危機管理マニュアルを策定するとともに防災訓練を年1回実施している。
  • 防火管理者2名に増員し、緊急時の体制を整備している。
項目 Ⅳ 国家試験対策 評価 4.1
取組及び評価の概要
  • 全学年の国試対策のガイダンス、定期的に模擬試験の実施、評価、振り返りを行っている。
  • 予備校よりガイダンスや特別講義も取り入れている。
  • 国家試験対策の内容を見直し、模擬試験の振り返りなどを見直した。
  • R6の国家試験合格率は95%(R5:88%)まで引き上げることができた。
  • 1年次より国試対策を取り入れている。予備校のガイダンスを各学年に取り入れている。
項目 Ⅴ 地域との連携 評価 4.2
取組及び評価の概要
  • 学校周辺の地域の清掃活動、学校祭での献血活動を実施している。
  • 学校地域の防災訓練にボランティアで参加した。
  • 1年次に、地域・在宅看護論実習Ⅰで橿原地域のシニアサークルに参加し交流している。
  • 2年次には、1年次で過疎地域の実習の継続として、ボランティア活動に参加する。
  • 1年次に地域・在宅看護論実習Ⅰで過疎地域に暮らす人々との関りを通じて暮らしなどの実情の理解を深めている。
  • 「災害看護」の講義の一環として年1回ある奈良県総合災害訓練に被災者役として参加し被災者の立場になって看護を考える機会となっている。
項目 Ⅵ 看護師を目指す有能な学生の確保 評価 4.2
取組及び評価の概要
  • 各高校に訪問し、進路ガイダンス、説明会を実施している。
  • 入試制度の見直し…高校生の進学に関する活動の早期化や大学志向の高まりなどの変化に対応できるよう試験日程の前倒し(年内に集約)、指定校推薦の試験科目変更(国語⇒小論文)した。
  • 広報活動の充実・強化…会員病院でのポスター掲示等、WEB、SNS(X、Facebook)での発信強化、学校案内パンフレットの刷新・配布箇所の拡大、記憶に残るノベルティの制作(巾着、付箋付き蛍光ペン)、学生の実習用白衣のデザイン変更、学校名を大きく表示したウィンドブレーカー、ビブス等の制作(防災訓練で着用)、橿原ビジネスプレス(橿原商工会議所への入会)、きんさん新聞(近畿産業信用組合)、奈良新聞(看護の日企画)への記事掲載
  • 学校見学会は年に6回、オープンキャンパスを年に4回7・8月に実施。日程が合わない方への個別対応。R7年度は社会人対象にナイト見学会の実施予定。
  • オープンキャンパスの充実及び参加者への入学検定料割引クーポン配布。
  • 学校訪問(高校・予備校)、進学ガイダンスへの積極的に参加。
  • 大学志向の高まりを受けて、R6年度から県内看護専門学校が、奈良県看護師養成所連携協議会を設置して、若い世代への看護師の魅力発信や看護師養成所の認知度向上、看護師志望者への進学に関するサポート、行政機関との協働等に取り組んでいる。
    (県が紙面を確保している「月刊奈良3月号」への掲載、R7年6月・9月にイオンモールにおいてイベントを開催予定)
  • 学べる内容、資格取得・就職状況等について、学校案内パンフレットに掲載、オープンキャンパス等で説明をしている。
  • 学生納付金は、県内私立校と比較して同水準である。(物価高騰の中、据置)
項目 Ⅶ 学生生活への支援 評価 4.4
取組及び評価の概要
  • 相談は、随時行っている。卒業生にも相談窓口を設けている カウンセリングも月に1回実施している。
  • 図書室司書の在室日を追加(週2日→週3日)
  • 健康診断・内科検診を年1回実施している、その時に異常があれば受診を勧めて確認をしている。
  • 会員病院の奨学金について、年度当初に説明会を開催し、概ね1か月後に病院との面接会を開催、そのほか、奈良県修学資金、日本学生支援機構奨学金についても学生への説明会や利用希望者のサポートを行っている。
  • 令和6年8月に、厚生労働大臣より専門実践教育訓練給付金の講座指定を受けた。(R7年度入学生から対象)
  • 1年次の入学直後に、クラスの交流を深める活動を計画、実施している。
  • 随時相談を行っている、また必要に応じてカウンセリングを勧めている。
  • 定期的に学生と面談をしている。また、気になる学生に関しては、状況に応じ親子面談を実施し連携をとっている。
項目 Ⅷ 就業対策・卒業生への支援 評価 4.0
取組及び評価の概要
  • 県内での就職の向上を図るため、面談や情報提供をしている。
  • 卒業生が就職している病院の訪問し、卒業生の活躍等を把握している。
  • 各奨学金制度の利用を勧め、奨学金制度の利用しない学生には面談し就職支援を行っている。
  • ホームカミングデーの実施、再就職の相談窓口を設けている。
項目 Ⅸ 学校経営 平均点 3.6
取組及び評価の概要
  • 学校運営会議において、種々協議し運営方針を共有している。
  • 定款にもとづく組織及び運営規程、学則に基づく運営会議規程に沿って適切に運営できている。
  • 就業規則、給与規程を整備し、定期的に検証し必要に応じて見直しを行っている。
  • 定款で組織及び運営規定を定めているほか、学則において運営会議、教務会議の設置が定められ、これに諮って意思決定を行っている。
  • 業務遂行にあたっては、関係法令に照らし齟齬がないかチェックしている。
  • 教育活動等に関する情報公開請求に対応できるよう書類を整備している。
  • 会計システムの導入し煩雑な会計処理の効率化を図っている。
  • 長引く物価高騰や少子化による影響が懸念される。
  • 決算データを分析し予算編成方針を策定のうえ予算を編成している。
  • 定款に基づき監事の監査を受けている。
  • 財務情報に関する開示請求に対応できるよう書類を整備している。
  • 法令、専修学校設置基準に定められた要件を備えている。
  • 就業規則に個人情報保護に関して規定するとともに、個人情報の保護に関する規程を定めこれに基づき業務を行っている。
  • 学校評価において明らかとなった課題については運営会議において協議し改善策に取り組んでいる。
  • 学校教育法に基づき、毎年度学校評価を公開している。

◎ 学校関係者評価

奈良県病院協会看護専門学校の教職員が行った「自己評価」を対象に、学校関係者評価委員会が行った学校関係者評価の結果は以下のとおりです。

学校関係者評価委員会

設置目的
在学生がより良い教育ができるよう、教育機関として常に学校運営、教育活動の改善に努め、教育の資質の向上と保証を図ることを目的として設置する。
委員構成
卒業生 2名 実習施設等の看護管理者 2名 就職先看護部長 2名
高等学校長経験者1名 看護教育経験者1名 大学関係者1名
学校関係者評価委員会名簿
令和5年度~7年度の開催状況等
令和5年6月13日 令和5年度学校関係者評価委員会開催
令和5年6月30日 令和4年度学校関係者評価をHPで公表
令和6年6月13日 令和6年度学校関係者評価委員会開催
令和6年6月28日 令和5年度学校関係者評価をHPで公表
令和7年5月30日 令和6年度学校関係者評価委員会開催

評価結果の概要

  • 自己評価が適切になされているかを5段階で評価した結果、本委員会出席委員9名の評価点数の総平均は4.2となり自己評価に関しては、概ね妥当であるとの評価を得た。
  • 社会情勢の変化への対応に関する意見が多く出された。
  • 本委員会の委員の評価理由などを見ると、成果が見られる取り組みの継続と取り組みへの更なる工夫についての意見が多くなっている。

学校関係者評価委員の評価と意見

自己評価が適切になされているかを各委員が4段階で評価
評価項目 評価点
(平均)
評価項目 評価点
(平均)
Ⅰ.教育課程・教育活動 4.5 Ⅵ.看護師を目指す有能な学生の確保 4.2
Ⅱ.教職員の育成 4.1 Ⅶ.学生生活への支援 4.4
Ⅲ.教育環境整備 4.0 Ⅷ.就業対策・卒業生への支援 4.0
Ⅳ.国家試験対策 4.8 Ⅸ.学校経営 3.6
Ⅴ.地域との連携 4.2
  全項目(総平均) 4.2

学校関係者評価結果

<評価項目別区分> 5非常に適切 4適切 4やや適切 3 2あまり適切ではない 1不適切
項目 Ⅰ 教育課程・教育活動 評価 4.5
各委員の主な意見(評価理由等)
  • 理念・目標・育成人材像については定められており、学生便覧に明記されている。
  • カリキュラム改正、学生の特性に配慮しながら、変化に対応した教育活動を展開している。
  • 実習病院、外部講師の確保に適切な選択、努力により教育がされている。
  • 時代とともに変化が求められている中で、DX導入を慎重に検討を重ねている。過渡期ということもあり、学ぶ側が効果的に学習できるよう情報を集めて判断することも学生獲得への影響を与えない一例となるのかと考える。
  • 評価の視点に即してきめ細やかに点検を行い、改善に取り組む姿勢が確認できる。
  • 一部の試験をPC操作で回答し、その場で評価ができるように考えられたことは斬新な試みである。
  • 講義後のアンケートに関しては外部講師にもアンケートすることでより一層授業改善ができるのではないか。
項目 Ⅱ 教職員の育成 評価 4.1
各委員の主な意見(評価理由等)
  • 能力開発の学習、各主要研修会を受講できる機会を設定し、実施されている。
  • 能力開発については相互に授業参観を行うなど日々研鑽されている。
  • 教職員が自信を持てるような研修受講の機会を増やして頂きたい。または、教職員の成果を評価できるシステムがあれば自己評価も上がるのではないか。
  • 確かで質の高い日々の教育実践を可能とする工夫が伺える。
  • コンプライアンスの確保において、個人情報保護やハラスメント防止対策について実例検討した結果の検証が必要。
  • 卒業生の実際現場で働いている姿をみて、学生への教育のヒントになるようなものが見えてくるのではないか。
項目 Ⅲ 教育環境整備 評価 4.0
各委員の主な意見(評価理由等)
  • 教育環境は整っている。
  • 危機管理の人材育成も確保できている。
  • 評価の視点に即したきめ細やかな点検が行われ、その充実に向けた工夫・努力がみえる。
  • 実態に即した改善に取り組んでいる
  • ICT化等に伴い、適正な運用面でのスキル向上等についても一層の工夫を期待する。
  • 教育上必要な物品に対して管理が行われている。
  • 教育課程の問題と同様、ICT化の検討にあたっては、講師との関係、実習病院との関係、費用面、学習の到達度や反復での学習のやりやすさなど多様な問題が絡み合っていることに留意されたい。
項目 Ⅳ 国家試験対策 評価 4.8
各委員の主な意見(評価理由等)
  • 昨年度より国家試験合格率が上昇しており、対策の成果が表れていることは大変評価できる。
  • 学生の個別対応がされています。更なる対策検討を期待する。
  • 早い時期から国試対策に取り組み、細やかな指導が行われている。
  • 学生の自己実現に向けて、また変容する個々の学生実態に即した指導や支援をきめ細やかに行っている。
  • 本年度から導入した外部講師招聘については、教職員の育成との関わりで工夫も必要といえる。(外部講師に依存してしまうということのないように、本校教職員の国試対策に関わるスキルアップを図る等)
項目 Ⅴ 地域との連携 評価 4.5
各委員の主な意見(評価理由等)
  • 積極的に地域との連携が進められている。
  • 過疎地域での体験は住民と関わる中から学びを広めていただきたい。
  • 地域側の諸事情もある中、計画を修正して活動が継続されている。
  • 本校の魅力と特色を最大限に生かした意欲的な取り組みがされている。
  • 地域清掃活動などボランティア活動・災害支援は継続できている。
  • 地域との繋がりの中で学生が学びを得る機会が用意されていて、多角的な視点で考える良い機会になっている。今後も継続していただきたい。
  • 令和6年度から日帰りになったこともあり、学ぶ時間が削減され、ライフサイクル各期にある人々の地域での暮らしの理解や、人間・環境・健康を関連付け暮らしを理解できる実習であるか検討が必要と感じた。
項目 Ⅵ 看護師を目指す有能な学生の確保 評価 4.6
各委員の主な意見(評価理由等)
  • 学生確保に様々な取り組みがされています。
  • 早い目早い目に柔軟な対応が出来ている。
  • 有能な学生確保のために、様々な観点からの改善・工夫及びアプローチが見られる。
  • 奈良県看護師養成所連携協議会を設置し、行政機関との協働は奈良県全体に看護師の魅力を発信するいい機会になると考える。
  • 学校見学会・オープンキャンパスは、日程上参加できない方のための個別対応や社会人を対象としたナイト見学会を実施するなど対象者のニーズに合わせて工夫されている。
  • WEB、SNSなどでの広報活動の強化、学生募集活動は充実している。
  • 入学試験の日程や科目の見直し、受験しやすくなるような改善がみられる。
項目 Ⅶ 学生生活への支援 評価 4.8
各委員の主な意見(評価理由等)
  • 経済的支援の面では配慮がされている。新たな給付・授業料減免制度など状況も変化してきたことから、今後これらに対応していく必要がある。
  • 個々の学生生活充実に向けて教職員が連携して、きめ細やかに支援されている。
  • 必要に応じてカウンセリングにつなげている。
  • 親子面談が必要な事例は連絡を取り対処している。
  • 新たに専門実践教育給付金認定を受け該当する対応者に適応している
項目 Ⅷ 就業対策・卒業生への支援 評価 4.0
各委員の主な意見(評価理由等)
  • 就業、卒業生への支援も細やかに実施されている。
  • 卒業生がホームカミングデーだけでなく卒業してからも顔をだしてくれる学校との関係性は素晴らしい。
  • 卒業生が相談できる窓口であり続けていただきたい。
  • 個々の学生の自己実現に向け、多面的・重層的な配慮と対応が出来ている。
  • 卒業生の就職先の病院訪問は安心につながるので、今後も継続していただきたい。
  • 引き続き、県内就職を意識した指導をお願いしたい。
  • 卒業生の技術の経験録の集計から、統合実習を修正・実践することで、就業対策の充実につながっている。
項目 Ⅸ 学校経営 評価 3.8
各委員の主な意見(評価理由等)
  • 本校を取り巻く厳しい社会環境に即して、様々な工夫や改善が意欲的且つ継続的に試みられている。
  • 教職員が教育目標の達成に向けて相互に連携・協力し合い、様々な『はざま』を埋め合う工夫が随所に伺える。
  • 諸会議において、それぞれの現状を踏まえて話し合いがされており、対策が考えられている。
  • 少子化、物価高騰、ICT化の問題、多様な学生への対応など困難な問題は多々ありますが学生のニーズをつかみ、学校の特色を打ち出して持続的な運営を進めていただきたい。

その他の意見(取組や課題等について)

  • 今後も奈良県の看護を担う人材育成をお願いします。
  • 学生の気質が変化している現状を踏まえ日々奮闘している姿が伺えます。無理をせず前を向いて進んでいけたらと感じました。
  • 色々協力できることもあると思いますいつでもご連絡ください。
  • 卒業生たちは日々とても頑張ってくれています。ありがとうございます。
  • 今後も学生が病院協会看護専門学校に入学したいと思えるような魅力ある学校の情報発信をすることで、学生確保に繋げてください。

過去の学校評価